2013年5月14日火曜日

浪人

雨鱒は例えるなら、いぶし銀の素浪人のような印象である。

この所、恵まれない天候にいらいらさせられ、

しかしながら遊んでくれる雨鱒たちには、感謝しながらも、

味方してくれるコンディションが無い事に忸怩たる想いであった。

しかし、この日、この時は違った。

正面から昇る朝日に川面は金色に光り輝き、

あちこちで太く、力強いライズが続き、臨んだ者達の期待感は、

恐らく最高潮であったろう。

私が立ち込んでいるところはなかなか渋かったが、

キャストを繰り返す事、どれくらいの時が経ったろう、

それでも、満足の行くキャストが出来た時のリトリーブは、

ゆっくりと丁寧にフライの挙動をイメージしながら行った。

あるところまで来ると、ラインがびくともしなくなり、

またもや根掛かりという憂き目にあったと錯覚した途端、

水面に突き刺さっているラインがあちこちと動き回った。

さすがに、焦りを隠しきれず声を上げた。

「どうしよう!」   自分ではそんな自分にあきれたが、

幸いな事に周りはすこぶる、和んでくれた。

いつまでも遊んでいたいが、あまり時間をかけては、

雨鱒に与えるダメージもシビアになる。






















何とか岸に寄せ、同行した釣友に協力を頂き、

双方、満足する中、記念撮影。


















有り難う。











2013年4月30日火曜日

暴風

今年の天候はあまりにも不純で、辛抱の釣りとなった。

猛烈な陸風に、オーバーヘッドキャストは翻弄された。















この荒涼とした風景はいつもながら、私を拒んでいるかに感じる。

それでも、時折風も和やかになり、キャストのチャンスを与えてくれる。

















魚信もあり、打ち返しを繰り返す中、幾匹かの雨鱒とのやり取りができた。

















他のみんなは、たいそう大きな魚体であったが、

私と遊んでくれたのは若々しい者達であった。


昼近くになり、活性も幾らか萎え気味と言う事もあり、

河岸を変え、まるでスコットランド思わせるようなところへ…





















ここでは、お目に掛かる事は出来なかったが、確かなライズとあたりは存在した。

雨脚も激しくなり、冷え切ってしまった我々は、温泉に浸かりながらの、

意見交流会を持つ事にした。

















こんなバス、子供達は喜ぶだろうなぁ~

















この後、再び反省会と題して、アルコールで体を温めた。

ここは、何度でも挑戦したい。







2012年8月19日日曜日

戦略

サボリ気味だったのは、自分でも良く判っているし、
でも、どうにも筆というかキーを叩く気がしなかったのは、
恐らくフライに迷いが出てきた為だろうと思う。

ひとつは、ラインである。
WF-Floating Line で wet fly での釣りから入った私は、
このところ、攻めきれないロケーションに遭遇するのだった。
岩盤の裂け目や巨大な岩陰に潜む相手を引っ張り出すと言う、
新たなタックルが必要になっていた。

ふたつ目は、フライである。
Wet Fly 一辺倒では、釣れる種類やサイズが自ずと定型化してしまう。

「どうにかしなきゃ」

そんなことを思いながら、7月からここ最近まで考えていた。
頼りになるショップから、gorbuscha 狙いのお誘いがあって、
海なら目先が変わるだろうと思い、即返事をしたのだった。


そこは、大自然の雄大さと、多種多様な命を包含する、
圧倒的な美しさだった。立っているだけで幸せだった。

そこそこに見込みがないとの判断で、各所ポイントを授かり、
解散となった。

その後、鱒川氏とウェーダーの塩抜きがてら、河へ入ろうということに。
ここでの体験が私の迷いを解決する機動力につながった。
深み、浅瀬、流心脇、流れ込みなど、状況に応じた戦略が必要になり、
対する武器も備えるべきだし、鱒川氏より、
「やり始めの今は、スタイルにこだわらず、何でも試してみるべき」との
アドバイスを頂き、帰宅後は座学で作戦立案と装備強化に熱中した。

撤収前に寄った片田舎のレストラン。
自分はこう言った自然派志向むき出しの場合、しばしば閉口する。
客に対しても排他的というか、「仲間内で楽しめていればハッピー」感が、
すごく鼻につくから。でもここは違った。



疲れ果てた我々の体にカレーのスパイスが、薬になってくれた気がした。




+++



8 月のお盆も明け、うずうずしていた最中に鱒川氏との釣行。
Heavnly Gift とでも言おうか、パラダイスだった。


いないはずはないと断言できた。
立てた戦略もまずまずの成果を発揮してくれた。




我々は、ダウンクロスに釣り下り、たくさんの Mykiss や Leucomaenis が遊んでくれた。



ここの、魚たちは非常に魚体が美しく、鰭の先までつややかで張りがあった。


久々に、疲れ果てた。しかしながら、迷いもいくらかなくなり、
釣行に集中できるようになったように思う夏だった。





2012年8月5日日曜日

贅沢な週末

この所、雨雲が我々の週末スケジュールを左右する。
しかし、このような美しい昆虫たちを見ていると、
どうしても、川に立っていたい衝動に駆られるのである。


これまで、良い思いをしてきた河川はどこも濁りが出ているという。
釣友と相談し、久々の河川のしかも上流に足を運んだ。
息を呑むような、まるで日本ではないかのような情景に、しばし見とれる。
ここは、北欧のツアーカタログにでも出て来そうな…
我を取り戻し、そそくさとラインを出しながら、
丁寧にトレースしてみたが、答えてくれる者は無かった。


この後、我々は更に上流に探索に向かった。
「最終地点とは一体、どんなところだろう」と向かってみると、温泉だった。





恐らく訪れる機会は今後、ほとんど期待できない事を会話が無くとも、
互いに認識していた。示し合わせたかのように、ウェーダーを脱いだ。
この日は、水温も低く、日差しもまばらだったため、釣行中は寒かった。
この所、立ち込んでいると左膝に痛みを感じていたが、
入浴後、それが消えていたのには心底驚いた。
本州から鉄馬に乗ってこられた方や、
想像するに道内の温泉を巡っているとおぼしきグループの方々と、
歓談しながら秘湯に浸る時間は、贅沢きわまりないものだった。
釣行中であった事を思い出し、次なる河川へ赴いた。


この日は、新しい楽園とも言うべき2kmに届かない流れを堪能した。
私は懲りもせず、翌日も赴いた。何度もアタリはあるものの、
ノリが悪く、悪戦苦闘していると、上流から、ラフティングボートが2艇!
絶好のポイントを下っていった。久々に脳内で自身が崩れ落ちた。
それでも、遊んでくれる鱒が居たのは、
消えかかったモチベーションを多少なり回復してくれた。




20cm程度ではあるが、ランディングしてサイズを目の当たりにするまで、
どこに、ファイティングパワーがあるのか不思議な位、手こずらせてくれた。


この者を育んだ河川に対して、
また、フライフィッシングによってこのような贅沢な時間を過ごせる事に、
感謝する日々である。
しかし、環境について少し感じる事がある。  「ごみがひどい」
ラフティングボートが下ってきたのは2回目であるが、
それは釣りにとっては困った事ではあるものの、
鱒が居なくなったりする訳ではない。
天を仰いで、次回に期待すればいいのである。

この所、各所で目にするテグスや仕掛けの投げ捨て。
手の届かない木の枝や河床の根掛かりならいざ知らず、
岸辺や草木に絡んだものなら回収すべきではないだろうか?
更に煙草の吸い殻やカップ麺の容器 etc


直接、手で回収するのは嫌なので、
何かそういったものをつまんで拾って帰って来られる物を考案しよう。


捨てる事に何のためらいも感じない人の耳元で、
注意をしたところで、変わる事は無い。私はそう確信している。では、
汚す人の2倍、回収する人が居れば、少しは汚染の抵抗力となるか?

贅沢な時間を過ごす一方で、
そんな光景も見ざるを得ない最近の釣行であった。



















































2012年7月6日金曜日

探索


伺っていた場所へ探索の旅に出る事にした。


ちょっとその前に、以前から少々気になっていた場所に入釣。
覗いてみるとライズしているではないか!
自分が気になっていた場所でライズがあるなんて、
「俺も、まんざらじゃない」なんて、ひとりよがりな誤解をしてしまう。
さして大きくはない、カディス(#10)を慌ただしく結び、
集中力を高めてショートレンジのキャスティング。
程なくして余り強くはない手応えに、
合わせることなく、じっと我慢のその刹那、
お出ましになりました。虹鱒とのやり取りは本当に楽しい。


居る事は確認出来たので、主目的達成のため撤収。


伺っていた場所へのルートは、15年の歳月が一変させていた。
崖から落ちてきたであろう、大きな岩石や倒木が行く手をさえぎる。
それにしても中盤から、来た事を多少なり後悔した。


やがて、視界は開け、このような景色。


ここまで、かなりな距離と障害を乗り越えて来たので、
いやが上にも、気持ちが高揚し始めていた。


小さいながらも、いかにもという場所が続く.

フローティングラインにウェットフライを結び、
上流から、丹念にトレースしてみるが、出ない。


終点まで来たが、余りにも水量が少なく、
やはり15年の歳月が環境を変化させていた。


思うに自然環境そのものが、生き物のように変化している。
と言う事は、この楽しい Fly Fishing の為にも、
環境保全の推進が必要だと感じた。


何が出来るだろう?


























2012年6月11日月曜日

岩盤の河川

土曜日にお互いの用事を済ませた後、
釣友には拙宅へ来て頂き、同行して頂いた。
目的地までは、高速道路を含め、1 時間と少しの行程。
到着後、ささっと設営し、酎ハイから始め、ウィスキー&ソーダで、
Fly Fishing 談義に花が咲き、イメトレ完璧な中、就寝。

5 時に早朝のお誘いがあるものの、寝る事に(笑)
朝食を済ませ、コーヒー(今回、満足の行く淹滴)を飲み、
集合場所である、道の駅駐車場へ。
程なくして同行者も揃い、入釣地へ出発。

その河川は、冠する名前とは裏腹に、随分と岩盤が多く、
容易に釣行者を寄せ付けない雰囲気が漂っていた。
以前に調査に赴いた時に感じたものとは、全く異なっていた。

伝統的な Royal Coachman が席巻していた。
これまで手応えのあった Wet Fly は見向きもされなかった。
釣友のくれた、それ↑ に付け替えた途端、反応があった。
瀬の真ん中に岩盤があるその後方で、遊んでくれる方からの、
音信がありました。突然、ラインが引かれ、リールが鳴いた。


この河川は、非常に沢山の放流がなされ、
入釣ポイントが沢山あるので、また赴きたい河川である。

今回も遊んで頂いた虹鱒に感謝します。ヤマメとウグイもいたけど。

何度も思うが、恵まれた駆け出しも私位のものだろう。
皆さんのおかげです。感謝永遠に…









2012年6月6日水曜日

イブニングにちょっと

最悪の体調の週末から、火曜日に漸く立ち直る。
週末は予定を入れてあったのに、全部キャンセルした。
お陰で鱒川氏には、大変申し訳なく、この場を借りて陳謝です。


そうは言っても体調が良くなると、行きたくなる。


で、行っちゃった。




この左手には、良い雰囲気を醸し出している流れがあった。


さてどうなるか?WF #5F/Sに鱒川氏から頂いた、赤色のフライ結ぶ。
一時間ほどキャストしては、釣り下って見るも、音沙汰無し。
更に下流に良さそうなところがあったので、チェック。
ルアー向きと車に帰ってくると、1台の軽が入ってくる。
彼氏はウェーダーを着て、ルアーロッドを持って出て来た。
彼 「釣れますか?」
私 「ルアー向きですね、ここは」
彼 「フライですか?」
ってことは、いる事はいるのね。
申し訳ないが帰るので、車の事を告げると、
彼 「大丈夫っすよ」
いつの間にか、彼女が運転席に移り、バックしてくれた。
しみじみ、いろんなカップがいるものだと感心しきり。


それから上へ行って、キャストするも、こちらも手応え無し。
やたらと木の葉など流れてくる。堤防の草刈りをやっているらしい。納竿。




菜の花と愛するHardy Rod & Reelの記念撮影で、帰宅。






次回また、挑戦。