2013年5月14日火曜日

浪人

雨鱒は例えるなら、いぶし銀の素浪人のような印象である。

この所、恵まれない天候にいらいらさせられ、

しかしながら遊んでくれる雨鱒たちには、感謝しながらも、

味方してくれるコンディションが無い事に忸怩たる想いであった。

しかし、この日、この時は違った。

正面から昇る朝日に川面は金色に光り輝き、

あちこちで太く、力強いライズが続き、臨んだ者達の期待感は、

恐らく最高潮であったろう。

私が立ち込んでいるところはなかなか渋かったが、

キャストを繰り返す事、どれくらいの時が経ったろう、

それでも、満足の行くキャストが出来た時のリトリーブは、

ゆっくりと丁寧にフライの挙動をイメージしながら行った。

あるところまで来ると、ラインがびくともしなくなり、

またもや根掛かりという憂き目にあったと錯覚した途端、

水面に突き刺さっているラインがあちこちと動き回った。

さすがに、焦りを隠しきれず声を上げた。

「どうしよう!」   自分ではそんな自分にあきれたが、

幸いな事に周りはすこぶる、和んでくれた。

いつまでも遊んでいたいが、あまり時間をかけては、

雨鱒に与えるダメージもシビアになる。






















何とか岸に寄せ、同行した釣友に協力を頂き、

双方、満足する中、記念撮影。


















有り難う。